2013年8月 2日目:諫早干拓


宿泊しているホテルと連携しているレンタカー会社の割引券が入っていたので、今日は車で諫早の干拓道路をドライブしようという計画に決まりました。かなり行き当たりばったりな旅行です(笑)朝早めに出て、諫早駅の裏にある日〇レンタカーに寄って、


太良町から海上の橋を渡って島原半島に向かいます。 上記写真の左が海で、右が人口池です。 もとはひとつづきの海でした。


ひと続きだった有明海を、ぶった切ったのがこの堤防です。「ギロチン」として昔ニュースで放送され、その命名のインパクトの強さ、そしてギロチンの切って落とされる瞬間が衝撃的であったことから全国的に有名になりました。我々は、このギロチンの上を敷いた道路を走っているわけですが、このギロチンは「食糧難を解決するための干拓事業」と「大雨による洪水の防災(水流コントロール)」という2つの側面があったと言われています。干拓事業そのものは、江戸時代以前から進められていて、堤防も寛永堤防だか永和堤防だかそんな感じで時代時代で作られたいく重もの堤防が残されていて、一番古いものは推古天皇の時代と言われています。そこに完全に水流を堰止めるギロチン堤防が加わったために社会問題になりました。


中央干拓地(平成に完成)。 この広大な田畑は、火山灰が堆積した肥沃な泥土を埋め立てたものです。 田畑のところどころに看板が立てられていて 「水門開門絶対反対」 「意味のない調査は即刻中止せよ」 と文字が強烈に踊っていました。


予算の関係で、干拓地は小高く盛り上がった土手のところまでしかできませんでした。ここから先は、背丈くらいはありそうな高い草がぼうぼう生えているばかりのだだっ広い野原しか見えません。この野原をどんどん歩いていくと、汚れた生活水の臭い池に行き当たるかも…想像もしたくありません(汗)


干拓観光事業に力を入れているんでしょうか?干拓地の余った土地を活用して、干拓資料館やむつごろう水族館、動物園、レジャーランドいろいろあります。我々が見学したのは、干拓資料館とむつごろう水族館。おそらく国からの補助金で持っているんでしょうけど、夏休みシーズンであるにも関わらずあまりにもお客さんがいません。だのに、クーラーガンガン。干拓資料館では、めずらしいむつごろう漁や漁民としての生活・道具や、ギロチンによって淡水化した池に生きる生物(居るんですねえ!?)の展示は楽しめました。ですが、ギロチンによってどのように社会的影響を与えたかという視点はすっぽりと抜けている感が否めません。


ムツゴロウ水族館にて、いまはもう諫早湾から姿を消してしまったムツゴロウです。実物をはじめてみました。ピョンピョン魚のくせに泥沼をはねて飛ぶのですってね。なかなかレアな写真でしょう。

その帰り、諫早駅前の商店街を散策していたら漁業関係の人たちが「開門せよ」と街頭演説していました。一般的には、開門反対派=長崎県=農業者であり、開門賛成派は佐賀県=漁業者 というふうに、単純な二項対に置いて説明することが多いですが実際はもっと複雑な様相をはらんでいるようです。長崎県にも漁業者はいますし、同じ漁業者の中にも対立が生じているということも雑誌で読んだことがあります。矛盾を抱えすぎて収拾がつかなくなってきている、とでもいうのでしょうか。そこでベクトルを農業←→漁業、反対←→賛成というふうに小集団同士で向き合うんではなく、農業・漁業・反対・賛成→国へと向けたら一番良いのですが…。


昼ごはんにいただいた「唐比(からこ)れんこん」。諫早市唐比区で作っているレンコンで、生産量が少ないので地元しか流通していないそうです。やっと見つけたお店だったけど、残念ながら時期外れなのだそう。


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