ホテルで朝食を取った後、だいぶ早い時間にホテルを出たので、ゆっくり歩いて市立水俣病資料館へ向かうことにします。立派に整備されたこの広い平地は、水俣湾に流し続け、長い年月をかけて数トンも蓄積してしまった水銀ヘドロをかき集め、埋め立てた「エコパーク水俣」と言います。病院やクリーンセンター、道の駅、運動場、さまざまな施設が、計画的に建築したという感じで建っています。ちょうど薔薇祭りをやっていたようで、それ目当てに多くの車が通って行き、賑わっている道の駅では、玉ねぎが特産品らしくて、たくさん売っていました。
![]() 事前にネットで色々調べたり動画を見ていた我々でしたが、展示場自体もそんなに広くもなかったのですが、1つ1つに興味が湧いたので午前いっぱいの3時間以上、かかってしまいました。 市立なだけあって無料で閲覧でき、客もちょくちょく入っていました。そして素晴らしいことに、受付に居た職員さんは色々とご存知らしく、展示物のいちいちを質問しても気持ちのよい回答が返ってきます。後から思い返して「これも聞きたかった」という事や、もっと勉強して置けば良かったという事も思ったりしました。 水俣病資料館見学については、後日、改めて別頁にて思うところなどを書きたいと思います。 ![]() ![]() 一通り見渡したあと小高い岡から降り、チッソを巡るように廻って商店街へ、昼御飯を頂くことにします。水俣資料館で頂いたパンフレットや証言集を読むのが止めれなかったので、何を注文し食べたかすらも記憶が…。無料で頂けますので、興味のある方は受付で声をかけることをお勧めいたします。 ![]() ![]() 大型トラックの通行が激しいということは、八幡プールの埋め立て作業が今も行なわれているという事なのでしょうか?こちらは、どれくらいの汚染濃度が残っているか検証公表もないまま埋め立てようとしているもので、しかも、今もなお残滓流出が続いているのでは?と言う指摘もあります。 ![]() ![]() かつては、チッソの終業ベルとともに賑わいだす、そんな町だったと言う。 他にも、水俣歴史考証館やエコパークの海沿いにも行ってみたかったのですが、もう時間がありませんでした。いつかまた来る時のために、関西に帰ったら色んな本を図書館で借りてみよう、と胸に誓うのでした。(そして、現時点でまだ数冊しか読んでいませんが、闇の深い問題なのだと考えさせられます。) そして、新水俣駅を経由し熊本駅に戻ります。 熊本駅構内2階の本屋で立ち読みした、熊本学園大学が出している冊子が面白くて、しかし号数が多いので買うかどれを買うか愚図愚図していたところ店員に閉店だからと追い出されてしまいました。これも旅行後「ズバッと買えば良かった」と何度も思い返したものでした。熊本学園大学は「水俣学」を柱としたユニークな教育課程を持っているらしく、インターネットで定期的に公開講座をやっているようです。「水俣病」から経済とは豊かさとは何かと学ぶ、善悪の価値観の転換が重層的な世界を知る、水俣市の方向性について考える、いろいろあると思います。 最後の夜は、熊本市の古めかしく風情のあるチンチン電車で繁華街に出かけ、ラーメンを頂きました。繁華街のすぐ目の前が熊本城なんですね。去年(2016年)の熊本地震の影響で崩れてしまった熊本城の石垣修繕作業が大掛かりに行なわれているのが見えました。去年断念して今年やっと来れたこと、旅行が濃い中身になれたことに感慨深さを覚えてしまいました。 |