温泉で疲れがでたせいか朝の7時くらいまでじっくりと寝てしまいました。朝食は前日の夜を思うと軽めの食事でした。アマゴ、コンニャク、すくい豆腐、その他もろもろに昨日も食べた温泉水ごはん。軽めの食事でも米をたくさん食べたのでお腹いっぱいになりました。まずは果無(はてなし)集落へ向かいます。 このホテルは「十津川うなぎ」を料理でだしているので、食べたいと思っていたけども、うなぎプランが高いから自重してやめたんですよね。うなぎ一本3500円と超高級、次回来た時の楽しみにしておきましょう。 最後に受付の人に司馬遼太郎が泊まったか聞いてみますと、先代の時の話しみたいであまり詳しくは無さそうだった。須田画伯の雰囲気とか是非聞いてみたかったんだけど・・・残念。 雪のせいでどこまでが道か分からなかったが、私たちの前にも誰か人が通っていて、その人の足跡をつけていくと足を踏み外す心配も無かった。こんな雪道を通る事が全然なかったので、私にとってはとても楽しい散歩道でした。 山々を削りながら川が走っていて、ところどころえぐるようにカーブしているのが十津川の特徴です。そしてこれがずっと続くのです。平地が全然ないので果無集落のように尾根沿いに集落ができていたのでしょうね。 雪国出身の相棒は喜々として雪に飛び込んでいき、ふかふかな雪にうずもれたり、垂れ下がった柳を引っ張って雪を弾き飛ばしたり、雪遊びを堪能しまくってました。 ここはダム湖になっており、十津川の中で一番商店が多いであろう場所です。ここだけは雪降っているのを見なかったので気候も少し違うのでしょうか?濁ってる水は土砂が混ざってると思われるのですが、工事のせいなのか時々土砂崩れがあるのかは分かりません。でも茶色がある事で青の水がより映えて美しく見えますね。 資料館の人が言っていたが、昔は山の尾根上に集落があってそこに役場もあって、この国道が通ってからはこの道沿いに建物を作るために、柱で無理やり空間を作って建ててるそうだ。これも十津川らしい風景ですね。 こちらの写真は虫送りのサネモリどん。斎藤別当実盛がモデルまでは分かりましたが、詳しく分からなかったのでネットで少し検索してみたところ、サネモリが稲に恨みがある説、「サブリナ」の転訛説など、色々な説があるようですね。 自分たちが何百年もやってきたことの由来を知らないというのが、私には非常に面白く感じられます。 虫を送る事が大切ではなくて、騒いだり酒を飲んだり餅を食べたりすることが大切だったんだなと思います。 そして、それはおそらく今でも同じで、最近よく目にする五輪ピックのカーリング女の評判ですが、カーリング女の「そうだね」という方言が訛っていて良いとか、「オヤツタイム」が良いとか、そういうものも実はどうでもよいのです。 「そうだね」が「そうじゃろう」や「そうでごわす」であっても問題はなく、「オヤツタイム」が「タバコタイム」でもみなさん大歓迎なのです。カーリング女がセブンスターを吸っていれば、翌日にはセブンスターが売り切れになっていたことでしょう。 つまり、サネモリに限らず名前があるものならばなんでも良かったのです。そう考えてみると人間って全然変わっていないんだなと感慨深いものがありますね。 道の駅の向かいにも資料館があり、そこは一階が民具展示、二階が歴史の展示となっており、歴史は大方幕末関連のものとなっておりました。 特に気になったのは幕末の資料類でした。人口や石高、鉄砲の数などが書いてあって、数字で見る十津川というのが面白かったですね。米は千石以上、材木もかなり盛んで、さらに煙草や蜂蜜なんてのも生産していたようだ。免祖地で貧しい国というイメージは当てはまらないのかもしれません。 さっそく風呂でくつろいでいると、ホテルの廊下ですれ違ったお兄さんが入ってきてやたらとしゃべりかけてきた。廊下ですれ違った時もすごいしゃべりたそうにしてたんですよねえ。その方はすごい事情通で、八木ー新宮線の運転手は花形だとか、バスの大きさが普通は12mで八木ー新宮は10、8mだとか、谷瀬の吊り橋で落ちた人がいたとか、土砂崩れ防止網が土砂崩れを引き起こすとか、十津川博士カップル顔負けの知識を披露してくれた。おかげで視野が広がりました。 この日の夕食もアマゴ煮や鹿のタタキ、その他もろもろの豪華食材群でございました。そういえば鹿肉って背中の部分だけしか可食部がないそうで、一頭で1キロとか2キロ程度しかとれないらしい。 ここのホテルは板張りがすごい綺麗で、最近内装をやり替えたようでした。風呂やそこに行くまでの廊下も、食事所に部屋まで新品のようでした。人形がところどころに飾っていたのもいい雰囲気をだしていました。他のホテルよりも安いし場所もいいので使いやすそうです。 例の如く朝の5時まで風呂がOKとの事だったが、またもや翌朝までぐっすり寝てしまう事になった。雪道を歩くのも慣れないので疲れてしまっていたのでしょう。 |