2017年2月 1日目:初十津川・初温泉


奈良と和歌山を結ぶ「八木ー新宮線」は日本一長い路線バスで、このバスに乗って十津川村に宿泊するとバス代が無料になるキャンペーンをやっていました。せっかくの機会なのでこのキャンペーンを使って初めての十津川に行ってきました。

西吉野を過ぎた辺りでバスから撮った写真。雪予報ではあったもののこんなに降るとは思っていなくて、本当にたどりつけるのか不安でした。
天誅組がこもった「天辻峠」という天然の要害が西吉野から大塔村に入るところにあるのですが、バスで通っただけでは分からずじまいで、せっかくの大塔村を無下に通り過ぎてしまうことになりました。
司馬遼太郎が十津川を回ったときは、西吉野も大塔もまだまだ村として健在だったようですが、今は五條市に取り込まれてしまっています。村として独立するには財政が厳しかったのだろうか、しかしこの近くの黒滝村や天川村は独立している。それがすごいと西吉野の知り合いも言ってました。
バスは空席も目立ち気楽だったのですが、前の席のカップルがずっと議論をしまくっていた。なんだか素敵な関係だなあと思ってしまった。

一番険しいと言われる天辻峠を難なく通過し、上野地で20分程の休憩をはさみます。ここで気になるカップルはバスを速攻降りてうどん屋でうどんをすすっていたので、時間大丈夫か?と思ってたけど余裕だったみたい。
私たちは日本一長かった谷瀬の吊り橋に来てみました。雪も降ってるし高いしで足がすくんで動けなかったのですが、相棒は全然平気なようでずんずんと真ん中まで行ってしまいました。別の男性二人組も一人は余裕で一人はダメだったのが見てて面白かった。

そしてホテル昴のバス停に到着、八木から4時間半かかりました。そのバス停のすぐそばにあったのがこちらの野猿(観光客用)。
この十津川は山々が急な谷を形成していて、険しい斜面がそのまま川に落ちていく、そういう地形がずっと続きます。その川を渡るのに昔は橋を掛けて谷を登り降りしていたのですが、明治22年の水害の時に橋はすべて流され、それ以後は吊り橋が主流になり、その代替設備としてこの野猿が使われていたみたいです。
私たちはバスを降りたあとどうしようかと迷いながらウロウロとしてたのですが、前に座っていた気になるカップルは一直線で野猿に向かっていました。よほど十津川の事に詳しいんだなぁと思って感心してしまった。
カップルは使わなかったようなので私たちがこの野猿を使わせてもらいました。真ん中くらいまでは一気に降りていくので楽しいのですがその後はロープ引っ張って行かないとだめなのでちょっとしんどかった。しかもこの日は雪でロープが凍っていたので手がしびれるくらい冷えてちょっと辛かった。

平成23年の水害でいまだに工事をしているようです。土砂崩れした土を運んでいるのかと思うのですがはっきりとは分かりません。これだけの重機が入っているのをみて十津川はすでに秘境では無かったのだと気づきました。
ホテル昴のバス停から上湯川に沿って和歌山方面へと静かな車道を歩きました。道は川からはだいぶ上を通っており、山側には土砂崩れ防止網がついていて別段自然を感じれるところでも無かったが、車は全然通らず静かで歩きやすかった。雪が降っていたけどもカッパと防水靴のおかげで楽しく歩けた。

二人でしゃべりまくりながら歩く事一時間半、ようやく今夜の宿泊地「神湯荘」に到着。まだ少し早い時間なのでホテルの近辺を散歩してみます。
神湯荘ホテルの裏手の山にあった龍泉寺。ホテルで聞いたみたところ管理する人が居ないので何もないところだと言っていましたが、建物も綺麗で中も人の手が入っているようなので時々誰かが見に来ているのかもしれません。司馬氏が来た時は跡しか無かったそうな。
こちらの龍泉寺の案内看板が国道沿いに建っていて、「明治維新・廃仏棄釈復興特別本山・仏教受難の郷十津川村」などと書かれていました。東大寺長老が書いたようなのでその方がたまに管理しにきてるのかもしれません。

ホテルに戻り少々休憩をして晩飯の時間になり、ホテルでの豪勢なる食事の風景。
この写真の外に猪鍋がある。キノコの天ぷらがジューシーで美味かったのと、米が温泉水で炊いていてその臭みがとても良かったです。

そしてこのホテル自慢の温泉に入ります。風呂が何種類かあるのですが、私たちは露天の家族風呂に入りました。外の札をひっくり返して入るので誰も入ってこれません。着替えるところから風呂までの20秒くらいの寒さがかなり強烈だった、ですが一度入ってしまえばポッカポカで気持ちよく入れました。
温泉じたいが初めてのようなもんなのでどんな感じかは分かりませんが、雰囲気はとてもよくて寒空の中に入るのがまた良かった。もう1つの露天風呂も行ったのですが、そちらは湯がすごいヌルヌルとしておりました。
朝5時まで入り放題が売りみたいなので、またあとで来ようかなあと思っていたが疲れが出たのか、朝まで眠ってしまった。



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