2018年10月 名古屋散歩・1日目


とあるきっかけから始まったアンデス論争終焉へ向け、我々は名古屋博物館に向かいました。せっかく名古屋に行くのに博物館だけではもったいない、ということで名古屋周辺観光もしてまいりましたので、その記録兼紹介をしてまいりたいと思います。
アンデス文明展の感想は「博物館めぐり」において書いておりますので是非とも御覧くださいませ。

さて、近頃はまりつつある博物館めぐりなのですが、観覧には非常に体力を消費するのでございます。ですので、博物館に入館する前の腹ごしらえは大変重要なのであります。今回は博物館と同じ道沿いにある、きしめん「芳の家」さんで昼食としゃれこみました。


芳の家さんは11時開店なのでベートーベン議論をしながら時間を合わせました。11時になり暖簾が出ると同時に、待てを解除された犬のようにそそくさと入店し、よだれを垂らしながら、味噌煮込みきしめん、きしめんランチを注文。
麺は写真をご覧になれば分かるとおり、普通のきしめんより薄くてとても広い麺です。ピロピロでむにゅむにゅっとした食感でしたが、これがとてもウマかった。
上の写真がカツオ出汁が強く効いた「かけきしめん」で、その出汁が味噌で消えてしまったであろう「味噌きしめん」が下の写真です。カツオの味わいも味噌の味わいも非常に美味しくいただく事が出来ました。12時前くらいからは一杯になってしまって相席になるほどの繁盛店でしたが、名古屋のきしめんはここが一番良いのではないかと思いました。

昼食を終え、アンデス文明と常設展を観覧し、土産物屋で塩2点を購入。他にも色々あったのですが一番無難な塩を選びました。値段は覚えていないのですが、近所にあったイオンというスーパーに比べるとかなりお安く買うことができました。まだ開封しておらぬのですが見るからにウマそうであります。

観覧後はかなり疲れてしまったので、近くにあったコメダ珈琲店で休憩をしました。
このコメダ珈琲店はつまらない喫茶店のイメージが強くあったのですが、温かいおしぼりを出してくれるし、椅子もゆとりのある椅子で、ドトールやバックスなどの有名店よりかなり良質の喫茶店となっておりました。

喫茶コメダで、なんだかでかいパン的なものを食べながら尾張の円筒埴輪やベートーベンの事を議論しました。また、新たな火種が勃発しそうな勢いであります。

夜は大須に行き有名な真福寺文庫を見てきました。夜になっても観光客や学生などで賑わう町は人の流れが途絶えません。人が集まる所に知識は集結するので、昔から今のように人でごったがえしていたのでしょう。

真福寺文庫の説明板より抜粋。
「岐阜県羽鳥市大須から現在地に移し、俗に大須観音の名で親しまれている。文庫は真福寺宝生院の経蔵学問庫であり、歴代の住僧により書写・収集された。古事記をはじめとする4点の国宝や40点以上の重要文化財を含む総数1万5千点に及ぶ資料が散逸することなく収蔵されている。」
説明板で紹介されていない本に将門記があり、私たちは現在その注釈本を読んでいます。その将門記に真福寺本と楊守敬本があって、楊守敬本は書き方が雑で下書きと目され、真福寺本は綺麗に書き写されていて楊守敬本よりは新しいらしい。そして原本はこの真福寺文庫に保存され、いくばくかの金銭を支払えば手に取って読むことができるそうです。いつか読んでみたいものであります。

真福寺の横では「宗春爛漫」というカラクリ人形劇がやっていました。一日に何度か上演されていて、一回6分程カラクリ仕掛けの宗春公が白牛にまたがり大須を練り歩く風景を表現しているようです。

私たちにとって宗春はマイナーな存在ですが、海音寺も「宗春と吉宗」と対比して書いているように歴史家にとっては面白い題材なのだと思います。
緊縮財政を貫く吉宗にも譲るところはなく、自らの領地に於いて遊興を奨励し貨幣経済を巡らす方針を施しました。最終的には失脚し謹慎する羽目になったのですが、派手好きで剛毅な宗春は幕府の犬に成り下がることは無かったのであります。
名古屋では今も町の中や住宅街に堂々と風俗店が存在しています。住宅街の並びに突然「熟女」という看板がありとてもびっくりするのですが、こんなところに宗春が遺したよすがというものがあるのかもしれませんね。

夜は名古屋市中村区のうどん「かとう」で食べました。こちらは一般的なうどん店となっておりふんわりとした麺は美味しかったのですが、昼に食べたきしめんと比べると特徴が薄いのは否めませんでした。



2日目 / 3日目 /

旅行記に戻る