宇和島旅行4日目


宇和島ではオリエンタルホテルに宿泊。駅からは少し離れているが、道中に裁判所もあり、張り出された裁判結果を見るのもなかなか楽しいものだ。
この日の朝ごはんは「やまこうどん」で。パソコンで見つけたところだったので場所が分からず付近の人に聞いてみる。しかし、その方も普通の家との区別がつかず右往左往していた。
なんとか見つけ出してくれてお礼を言う。写真を見てお分かりのようにまったく店の素振りを見せていないのだ。

店内に入ってみるとすでにたくさんのお客さんが入っていた。思った以上に広く、テーブル席2つ、カウンター席もいくつかある。カウンター席は厨房内にあり、二人のお母さんがせっせとウドンを茹でたり天婦羅を揚げたりしている中、客がウドンをすする構図である。メニューは無く二人と言うとウドンが出てくる形式となっていた。
しかし、時々写真右端に見えるタンスのような棚を開け、そこから何か煮物のようなものをウドンに掛けている。そう、タンスの中にはコンロが隠されており、そこには特別料理の品があるのだ。これは常連で無ければ食べられないものなのだろう。

しばし待っているとウドンが到着。フニャっとした柔らかいタイプの優しいウドンなのだが、汁の塩気が強かったので優しさがあまり感じられない。天ぷらにはエビのカスが入っていて、これとジャコ天がとてもウマかった。
今考えてみるとジャコ天の塩分が汁にでてしまったのかもしれない。お値段は忘れてしまったが400円くらいで安かった印象がある。その安さもあって客がどんどん入ってくる繁盛店であった。次回来た時は特別メニューを頼もう。


腹ごしらえの後、「闘牛場」「宇和島城」を散策。(文字クリックで博物館巡り、城攻めコーナーへ移動)

散策後は「遊子の段畑」を見学しに行く。宇和島駅からバスを使い860円で水ヶ浦という停留所で降りる。約一時間ほど走るのだが、入り込んだ海と険しい山を通るわりに広々とした道だったことに驚いた。
バスを降りた場所には大きな駐車場があり、その先に灰色の壁のようなものが見える。これが段畑で、急峻な山を段々にすることによって、少しだけ作物を植えるスペースを作っているのだ。

ここに併設されているレストランで食事にするつもりだったが、土日祝のみの営業で平日は休業日であった。仕方なく傍で営業していた土産物屋へと入る。食べるものはパンくらいしか無かったのでそれで我慢。

家の間の細い道を通り抜け段畑を登る。道は整備されていて歩きやすいのだが、見晴らしが良すぎて少し怖いくらいだ。


駐車場から見ていた時も圧巻であったが、登ってみてもかなり迫力のある光景だ。
パンフレットの説明によると、江戸時代初期から段畑開拓がはじまり、幕末には斜面のほとんどが畑になったという。主に芋を作っていたようだが、近代のある時期では耕地の半ばが桑園となっていたそうだ。それほど利用された段畑も養殖業が発展したことにより放棄されてしまった。それが近頃、「段畑を守ろう会」が結成され、荒れ果てた段畑を整備し、また芋を作っているそうである。

漁にも変遷があり、元はマイワシ漁が盛んであったが、カタクチイワシの煮干し作りになり、ハマチ・真珠養殖へと変わっていったようである。最近ではアコヤ貝が大量に死んだり、養殖魚の価格が低迷しているようで、段畑を使い新しい産業を興そうということであろうか。


段畑を近くから見てみると石の量のすごさに驚く。花崗岩やコンクリートのような石も混じり、とにかく手近な石を集めて来たことがうかがえる。

上まであがると墓地があり、反対側の西斜面は森となっている。そちらは段畑ができる条件にはないようだ。

段畑の北側にはお堂があり、三界万霊碑が建っていた。歴史には残らなかった悲劇がこの土地にもあったことの表れなのだろう。

またバスで宇和島に戻り「定食ASAHI」で晩御飯。安いお金で大量に食べれる場所で疲れた体には良かったが小食なので少しきつかったかも。






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