香川旅行5日目


この日の朝食は外で食べようと、前日にホテルのネットで朝ごはんが食べれるところをチェックしておきました。高松駅より西へ一駅、昭和町という駅の近くにあるので、ホテルからぶらぶらと西へ向かい歩いてきます。
途中、お寺があったので立ち寄ってみますと、なんと!高松藩の初代藩主生駒氏の菩提寺ではありませんか!これは是非ともお詣りせねばなるまいと山門をくぐったのであります。


生駒氏の菩提寺である弘憲寺の瓦にはご覧のように生駒家の家紋が彫られております。波引車紋というらしいのですが、上半分しかないのがちょっと変わっているのではないでしょうか。

本堂には不動明王を祀っているのでお詣りに入ったのですが、飾り気たっぷりの本堂内に少しびっくりしました。ウェルカムと親指を立てる坊主もおよそ和風ではないですし、浄財の箱が隠れるほどにパンフレットを設置しております。行事も積極的に行っているようで写経会やらなんやらの参加者も募集していたように思います。

ここで一番気になったのが、両脇に鎮座している仏にカップラーメンが供えられていたことです。しかも、博多ラーメンと京都ラーメン。前日の古本屋でも感じた個性、というものがこの本堂に強く現れていて非常に面白いお寺だと感じました。

生駒氏初代のお墓は本堂の裏手の墓所の一番前の区画にありました。遠目で見てもすぐにそれと分かるような迫力のあるお墓であります。


しかし、近づいてよくよく見てみるとかなり荒い作りなのが分かります。まがりなりにも前藩主の墓がこれでいいのか?と思えるような代物です。
その理由といえるかは分かりませんが、生駒氏の初代である親正は関ヶ原の合戦で西軍・石田方に味方しており、本来ならば敗戦の将として処罰を免れぬところなのですが、子の一正が東軍・徳川方で戦功をあげたので、その罪が許されたのです。この墓は子の一正が建てたものなので、徳川方に遠慮してこっそりと作ったのかもしれませんし、親子の隔絶などもあったのやもしれません。
右側が父・親正で左が母・高木氏だそう。母の方はもっと荒く作られていて、ひょっとすると高木氏は父親よりも豊臣方の後押しをしていて、一正に嫌われていたんじゃないでしょうか。そう思わざるをえないような彫り跡がモロに残っております。

お寺でお詣りを済ませたあと、目的の昭和町のカフェに来たのですが残念ながら閉まっておりました。ネットの情報はほんとにあてにならないのです。仕方なくコンビニ弁当で外食をし、近くにある図書館で休憩がてらの読書タイム。
荷物をロッカーに入れ、カゴを持ち銭湯スタイルで入館。知りたかった猫塚古墳の発掘報告書は読みにくく、円座についての資料はありません。面白かったのは砂糖の製造で一番権力をもっていたのが「しぼり屋」だということ。一体どんなしぼり方をしていたのか気になります。

お昼は商店街に戻り中国料理北京で食べました。作日通った時から気になっていた料理屋なのです。


その気になっていた料理がこちらの刀削担々麺。昔、横浜の中華街で食べた時にまったく美味しくなかった代物です。麺が水分を吸いやすいのは横浜と同じでしたが、水餃子の皮に近い麺だったのでブヨブヨ感が美味しかった。スープもゴマ・ニンニク・ネギがたくさん入っていて、それが麺に染み込むのがいいのかもしれない。他に頼んだ天津飯と小籠包に関しては少し微妙だったかな。

午後からは高松旅行中ずっと気になっていた由良山へと向かいます。その記事は城攻めにて。
大規模採掘の爪痕が間近に見られる由良山は、気軽に登れるスポットなので是非ともおとずれていただきたい。

由良山を下山し、麓からでもチラリと覗く採掘跡を横目に西へと向かいました。次の目的地は讃岐の国一宮の田村神社で、そこでは中国の唐や宋時代の鏡が多く伝来しているらしいのです。
日が傾きはじめる最中、高松平野を歩く。田んぼや新しい宅地が混沌とひしめき、歩道を通って来たのがいつの間にか田の畦道となる。時々振り返って由良山を仰ぎみてみると、傷跡は木々に隠れ、三角錐の綺麗な山容だけが姿を現していました。
しばらく歩いて仏生山駅へ到着。この駅から一宮駅まで電車を利用して移動。電車内からも田村神社の鳥居が見え、ずっと北へ参道が続いておりました。一宮ではあるし、地元の人々に守られた古寂びた神社なのではないかと頭に描いていたのですが、そんなことは無く、新しくきらびやかで、数々の神を祀っており欲望の渦で人々を引き寄せる神社のようでした。


数々の神の中には、田の神さあもおられました。後ろからのお姿はやはり・・・。
その他にも金箔の布袋さん、巨根の馬など欲望の限りを表現しておられたが、これもこの神社の努力の賜物だといえるし、個性でありましょう。

駅から帰る時の讃岐富士はすっかり影になってしまったが、とんがった形は暗くなってもその存在を主張しています。

晩御飯にはマルナカ仏生山店で購入した「ソフト豆腐」。初めて見る商品だったのでどんなものかと思って購入しましたが、イマイチでした。絹豆腐よりも柔らかく味も薄いと思った。





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